旧統一教会の「被害者救済」や「閣僚との接点」など議論の応酬が続く秋の臨時国会。その最中の10月18日の夜、東京・麻布十番の中華料理店に4人の政治家が集まっていた。呼び掛けたのは自民党の二階俊博元幹事長で、二階氏の側近である林幹雄衆院議員、日本維新の会の馬場伸幸代表と遠藤敬国対委員長も席を共にしていた。
この会合の趣旨は2025年に開かれる「大阪・関西万博」の機運醸成で、二階氏は「万博は絶対に成功させなればならない。大阪万博の浮沈が日本全体に影響する」と語気を強めたという。
万博関連の議連は"3年半開かれていない"
この会合で配られた紙には「超党派議連を早急に開催すること」とある。2019年の2月に「大阪万国博覧会を"実現する"国会議員連盟」が開催されたが、誘致が成功したことから、議連は「大阪・関西万博を"推進する"国会議員連盟」に名称を変更したものの、その後3年半にわたって開かれていない。議連の会長でもある二階氏は「あれから何も言ってこない、どうなっているんだ」と苛立ちを隠さなかった。
この日の会合では、万博会場への重要なアクセスとなる「淀川左岸線の2期工事」やシャトルバスとして活用される予定の「EVバス」の支援などについても話し合われた。議連の開催については、吉村洋文大阪府知事や松井一郎大阪市長にも伝えられ、二階氏自身が「大阪の視察」にも意欲を示していることから、経済界の参加も含め調整が進められている。
二階氏は「政治も経済も一緒にやらなければうまくいかない。これは党派を超えた話だ。私ができることなら何でもするから言ってくれ」と念押しも忘れなかったという。岸田政権では要職に就いていない二階氏だが「大阪・関西万博」への思い入れは強く、政治の側からの働きかけを強める意向で、自らの存在感を示す狙いもあるとみられる。
毎日放送報道情報局 解説委員 三澤肇