台風6号に続いて7号が接近。しかも本州を直撃しそうな勢いの中で、まさにこの夏休みの時期に旅行を計画している人、あるいはすでに旅先の人も多いはず。そこで「もし飛行機が欠航したらどうする?」ということで旅行アナリストの鳥海高太朗氏に教えてもらいました。まずは旅の日程を前倒しして早く帰るか、延泊するか。そしてそれでも巻き込まれてしまった際に、何としても早く帰りたい場合について、鳥海氏によりますと、キャンセル待ちの航空券をゲットするには、空港のカウンターに行くより、航空会社のHPをひたすらチェックする方が早い場合があるということです。またテレワークに切り替えるためにパソコン持参の旅も提案します。(2023年8月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

◎鳥海高太朗氏(航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師 航空会社のマーケティング戦略を研究 国内・海外を問わず旅行事情に精通 メディア出演多数)

――近々、飛行機に乗る予定のある方、お盆期間中に台風直撃か、と言われる中旅先や帰省先から帰れないことも想定されます。キャンセル対処術や航空機利用時の裏ワザです。旅行日程で帰るタイミングで台風が来た場合、どうするのがベストの選択なのでしょうか。

鳥海高太朗氏: まずですね、飛行機に関しては2日前ぐらいから、「航空券の特別対応」といった形で対象となる空港と日程にかぶると、変更可能なんですが、それを前倒しすることも可能なので、一番いいのは「台風に来る前に旅行先から戻ってしまう」これがベストなパターンかなと。

延泊覚悟の方に関しては、とりあえずビジネスホテルを取っておく。前日までキャンセル料無料のビジネスホテルも結構ありますので、うまくそれを予約できれば、とりあえず予約してといて、前日段階で最終的に判断する。飛行機が1日2日遅くなったとしてもそこから宿探しをしなくていい、とにかくプランを練っておくことが大事。

 飛ばないのが航空会社の都合だと、会社がホテルとかを負担してくれますけれど、天候理由の場合は全て個人負担になります。後からギリギリでとって、ホテル価格が上がっちゃって、すごい出費になることがあるので、早く帰るのがベストですが、遅く帰る場合は、キャンセル料のかからないホテルを取っておくっていうのも一つの手です。

 マイルで取ろうが、安いチケットで買おうが、航空券の特別対応(=台風で運行が乱れそうとの判断)をしたら、全て変更可で払い戻しも無料になります。マイル枠とかも関係なく前倒しするときは空席さえあれば乗せてもらえます。台風や雪、災害などの特別対応は、ANA・JALなんかはしてくれます。台風の進路を見ながら考えるっていうのがいいのかなと思います。

なんとしても帰りたい!キャンセル席確保術

――続いて聞きたいのは、「何としてでも早く帰りたい」という方へ、キャンセル待ちの裏ワザです。

鳥海高太朗氏: これはもう、ひたすらホームページを確認する。台風が起こるとキャンセルする人も一定数いらっしゃって、キャンセルが入ったところに新しいお客さんが入るなど流動的になるので、数十分おきにホームページで空席をチェックして、航空券の特別対応はおそらく土曜日ぐらいには出てくると思いますんで、それ以降ならホームページ上で変更しちゃう。満席であっても諦めずに何度もホームページをチェックするっていうのがメリットです。

あと当日出発間際に空席出たときや、臨時便を出すこともありますので、もし席が確保できていない場合は、朝早く空港に行って、キャンセル待ちや空席待ちの手続きをして自分の順番が来るのを待つことも大事になってくる。

――ホームページのチェックより、直接カウンターで聞いた方が早いとか、電話が早いとかはないですか。

 空きは同じなので、基本的にホームページの方が早いですし、電話の予約センターが繋がらないっていうことも多いです。空港のカウンターは長い列があるので、並びながらスマートフォンで数分おきに見ている人もいます。急に臨時便が設定されて、空席がいっぱい出ることもあるので、やっぱりホームページを活用するっていうのが一番いいです。例えば旅行自体を取りやめるっていうときも、基本的に航空会社で買ったチケットであれば、ホームページで全部できます。

――旅行日程に余裕がある人は、どう考えればよいですか。

 台風直後の便は、混むのでもう台風が明らかに抜けた少し先の日を取っておいて、そこから空席が出れば前倒しっていうことができます、台風7号は沖縄ではなく、関西や中部、関東という感じですので、比較的スピードもそこそこで抜けると思います。沖縄の場合は3日間空港が使えなかったのですけど、今回は1~2日の範囲になるかなと思います。

 あとテレワークをされる方も最近いらっしゃる、パソコンを持っていった方がいい。旅先からテレワークをして何とかお仕事先で許しを乞うっていうこともありかと思いますし、空席確認も便利ですし、情報収集を含めてノートパソコンやタブレットを持っていくことはおすすめします。いざ延長することになったらそこでお仕事もできるんですね。

思い切って「旅をやめる決断も」

――飛行機以外にも気になるところがあります。バスや新幹線です。高速バス「ウィラーエクスプレス」によりますと、14日から16日のお盆期間中、今のところ予定通り運行するということですが、何かあったらメールなどで連絡するということです。

また、東海道新幹線は13日から16日、新大阪から東京の間で計画運休や急遽運転見合わせの可能性があると発表されました。この区間を含む18日までのチケットは無料で払い戻しや期間変更に応じるということです。

鳥海高太朗氏: やっぱり夏休みは、お子様連れで旅行するなど一大行事だと思うんですけど、ここは無理せずに旅行を中止して、近場で行ける範囲に切り替えるとか、出かけてしまうけど月曜日の早い時間に帰ってくるとか。

宿泊施設もキャンセル料を、本来かかる場合でも電話で交渉すると交通のアクセスが駄目だっていう理由なら、結構無料でキャンセルしてくれたり変更に応じてくれることもありえるので、できれば日程をずらすとか、やめるという決断もやっぱり大事かなと思いますね。