3月29日、高校ラグビー選抜大会はベスト4が激突。春の日本一に向けて激しい攻防が繰り広げられました。

 第1試合は、前日の準々決勝で佐賀工業との激戦を勝ち抜いた国学院栃木と、昨年、花園の全国大会出場が途切れて早くに新チームがスタートし復活に向けて今大会からの飛躍を誓う神奈川の強豪・桐蔭学園の対戦。

 先制したのは、その桐蔭学園。開始わずか2分、執拗な縦攻撃でぐいぐい前に進むと、最後はセンターの高崎大我選手がトライ。ゴールも決めて7点のリードを奪います。その後は一進一退。両チームが相手ゴールラインに迫りながら、なかなか得点することが出来ません。

 試合が動いたのは25分、桐蔭学園は自陣の10mライン付近でボールを確保すると、そこから一気のカウンター。ここがチャンスとばかりに全員が連動してボールをつないでいきます。最後はFW陣が力強く押し込んでトライ。前半終了間際にも1トライを加えた桐蔭学園。トライを取り切る力を見せつけてリードを広げていきます。後半に入っても桐蔭学園の勢いは止まりません。ひとりひとりがしっかりと前に出て得点を積み重ねていきます。後半2分のロック西野誠一郎選手のトライを皮切りに、4つのトライを奪う猛攻。

 国学院栃木も試合終了間際の後半27分、1トライを返しますが反撃もここまで。後半も着実に得点を加えた桐蔭学園が51対7で大勝。4年ぶりの王座奪回に向けて決勝進出です。

 第2試合は、卓越した個人技をベースに圧倒的な攻撃力を誇る東福岡と、前回大会の王者・報徳学園との準々決勝を逆転で勝ち上がってきた大阪の常翔学園の強豪校同士の激突。

 開始2分、東福岡が最初のチャンスを得点につなげます。ラインアウトからのモールをFW陣が固いバインドでしっかりと押し込んでトライ。ゴールも決めて7点を先制します。さらに9分、安定したスクラムから左ウイングの西浦岳優選手が抜群のスピードで走りこんできてトライ。この後、15分にも1トライを追加。さらにPGで3点を加えると、24分にはプロップの沢田海盛選手がFW第一列とは思えない走力の高さを見せつけてトライ。25分までに31対0、勝負はこのまま一方的になるかと思われました。

 しかし、常翔学園もさすがに関西の実力校。ここから反撃に転じます。27分、NO8岩本有伸選手の突進からウイング山本啓太選手のトライにつなげると、前半終了間際にもラスト1プレイでスクラムハーフの三田村真生選手がトライ。さらに、サイドの変わった後半、開始2分にセンター内田元選手が右隅に飛び込んで3連続トライ。一気の追い上げで31対17。2チャンス差に詰め寄ります。

 それでも東福岡は焦りません。安定しているラインアウトを軸に攻撃を組み立てると、7分にはスタンドオフの井上晴生選手が巧みなステップから中央にトライ。再び試合の流れを引き寄せます。このトライで勢いを取り戻した東福岡が、この後も着実に得点を加えて58対17で勝利。2年ぶりの優勝に向けて準決勝突破です。

 桐蔭学園と東福岡の決勝戦は2年前と同じ顔合わせ。3月31日に熊谷ラグビー場で開催されて、春の高校ラグビー日本一が決まります。