14日のDeNA戦で大勝し、単独首位に立ったタイガース。好調のチームを語る上で「木浪聖也の活躍」をあげるファンも少なくはないだろう。

 開幕スタメンこそ小幡竜平に譲ったものの、少ないチャンスで結果を残し続けてスタメンを奪い返した。かねてから守備力には定評があっただけに、特筆すべきは絶好調の打撃。一体何が変わったというのか。

 「ミスタータイガース」掛布雅之氏は、レギュラー出演するMBSテレビ「グッジョブ!」の13日(土)朝7時の生放送でその真相を解説した。掛布氏が注目したのは《スイングの軌道》だった。

 「前までは(構えたときに)バットを立てていたが、今はバットを肩に担いでいて、レベルスイングができている。アッパースイングやダウンスイングでは、(打つ)ポイントが1点しかない。レベルスイングをしていれば、どこにボールが来ても、バットの芯に当てられる」

 さらに掛布氏は、その変化の真相は【長打力を捨てた勇気】だと見ている。

 「アマチュア時代は長打力があったバッターだと思うが、それでもプロでは(ホームランを)20本・30本打てる訳ではないと、自分のバッティングの大きさみたいなものにやっと気づいたんじゃないかと思う。木浪自身が長打を捨てたことで、長いレベルスイングを意識しているんだと思う。」

 掛布氏は以前、木浪から「掛布さんのようにレフト方向へ大きな打球を打つにはどうしたらいいですか」と質問されたのだという。こうしたエピソードも交えて、木浪の意識の変化について語り、木浪のこれからの課題として「インコースの対応」をあげた。

 「バッティングは、グリップエンドが第3の目と言われているが、バットを担ぐ木浪のグリップエンドはサード側に向いている。サード側に向いているグリップエンドが、インコースに向くのは結構難しい。これからの木浪の課題はインコースのスライダー・カットボールに対して対応できるか。」

 課題を挙げた上で「ポイントは右の肘をいかに抜いていくか、右腕の使い方が大きなポイントになる」と解説した。

 遂に規定打席に到達し、打率.356でセリーグ3位(5/14時点)に躍り出た木浪。マークは厳しさを増すと考えられるが、今後どのように対応し、シーズン終了時点でどんな成績が残るのか、目が離せない。