「サントリーサンバーズ」が、日本男子バレーの歴史に刻まれる快挙を達成した。昨シーズン(2021~22)のVリーグチャンピオンのプライドを胸に、日本代表として『2023アジア男子クラブバレーボール選手権大会』(5月14~21日)に参加していたサンバーズ。5月21日に行われた決勝戦で、インドネシアの「ジャカルタ バヤンガラ プレシシ」を撃破。見事、日本勢として初めてのアジアナンバー1に輝いた。

 ゴールデンウィーク中の黒鷲旗バレーでは、ウルフドッグス名古屋の前に、決勝戦で悔しいストレートの敗戦。準優勝で終えると、あわただしい日程の中、アジア制覇に向けて決戦の地・バーレーンに向かったサンバーズ。

 キャプテンの大宅真樹選手が「この(黒鷲旗敗戦の)悔しさをアジアクラブ選手権にぶつけたい」と語ったように、最初の試合からエンジン全開。アジアの16の国と地域のチャンピオンが集まった今大会に、予選リーグを3連勝で通過すると、続く2次(順位決定)ラウンドも2連勝で準決勝に進出。イランの強豪・シャダヤスドとの大一番を迎える。その準決勝は予想どおりの大激戦。1セットずつを取り合い、第3セットはお互いにゆずらず、30点を超える息詰まる展開になる。ここから、大エースのオポジット、ドミトリー・ムセルスキー選手、そしてデ・アルマス・アライン選手が大活躍。このセットを34対32でものにすると、続く第4セットも25対17で勝利。2年連続の決勝進出を果たした。

 そして迎えた、ジャカルタ バヤンガラ プレシシとの決勝戦。この試合も、第1セットからジュースにもつれ込む大熱戦。ここでも両エースを軸にしたサンバーズの攻撃力が勝負強さを発揮する。このセットを28対26で奪うと、続く第2セットも25対23で連取。第3セットこそ失ったものの、第4セットは一気の連続得点で差を広げて25対17。去年、決勝戦で敗れた雪辱を果たし、見事、日本勢として初めてのアジアクラブナンバー1に輝いた。

 圧巻の7連勝で、アジアの王座に就いたサントリーサンバーズ。大会MVPにはドミトリー・ムセルスキー選手、ベストセッター賞に大宅真樹選手、ベストアウトサイドヒッターにデ・アルマス・アライン選手が選出された。サンバーズはこの優勝で、12月に開催される世界クラブ選手権の出場権を獲得。次は、世界一に向けてのチャレンジが待ち受けている。